機械浴の更新時期が近い。手すりや浴室暖房乾燥機では足りない。そうやって調べると、この製品にたどり着きます。

ミラブル アシストバス(税込159万5,000円・工事費別)。ただし、機械浴の置き換えにはなりません。浴槽に扉があり、またがずに入って湯につかるタイプです。

公式発表と現場への取材の両方から、「うちに入るのか」を確かめました。

この記事の順番

ミラブル アシストバス|アシストバスを検討する順番。1 どんな機械か 2 大きさと入り方 3 介護施設での実証 4 どこで買えるか 5 うちに入るか(イラスト)

万博の泡の技術を介護向けにした浴槽

開発元の株式会社サイエンスが、大阪・関西万博「ミライ人間洗濯機」での技術実証を経て作りました。

介護・福祉領域での実用化を目指して進化させた入浴装置です。

万博で1,227名が体験し、アンケートに答えた847名の98.3%が満足と答えました。

そのファインバブル入浴技術が土台になっています。

発表日2025年12月16日:「ミライ人間洗濯機 社会実装版(高齢者施設用)」の新製品発表会
2026年4月27日:「ミラブル アシストバス」の名前で、大阪府介護生産性向上支援センターでの初展示を発表(株式会社サイエンスのプレスリリース)。展示は2026年9月30日に終了
核心機能浴槽内で生成される超微細泡が全身を包み込み、「つかるだけで洗う」を実現
安全設計浴槽ドア採用で「またぐ」動作を解消。転倒リスクの高い立位作業を最小化
介助負担「身体を支える」「ゴシゴシこすって洗う」工程を減らし、介助者の腰・肩の負担を軽くする設計(メーカー発表の表現)
価格159万5,000円(税込)メーカー希望小売価格。工事費は別途(下記参照)

価格は159万5,000円(税込)・工事費別

サイエンス公式サイトに掲載されているメーカー希望小売価格は159万5,000円(税込)です。

2026年7月29日時点の価格になります。

工事費は別途かかります。

※発表のときの呼び名は「社会実装版」で、価格は145万円(税別)と書かれていました。145万円(税別)=159万5,000円(税込)で、同じ製品・同じ価格です。公式サイトの製品名は「ミラブル アシストバス」、価格表示は税込です。

重さ100kg、扉からまたがずに入る

ミラブル アシストバス|介護施設に導入された入浴の機械(テレビ大阪ニュースの動画)

▶ 介護施設に、人間洗濯機の技術を使った入浴の機械が入った様子が見られます。
動画:テレビ大阪ニュース(YouTube)。押すと再生します

品番HWM-KO1
外形寸法1240(L)×650(W)×990(H)mm
質量100kg
電源AC100V・500W
洗浄浴槽内のマイクロバブルが汚れを剥離・水面へ。洗剤不使用。ミラブルシャワーで部分洗浄も
安全設計浴槽ドア採用で「またぐ」動作を解消

出典:株式会社サイエンス プレスリリース(2025年12月16日・社会実装版の新製品発表会。品番・寸法・質量・電源はこの発表の製品仕様)/エンジニアtype。

入り方は3つです。扉から、またがずに入る → お湯につかって泡で洗う → 顔と髪はミラブルで洗う。

ミラブル アシストバス|社会実装版の使い方の3つの手順。1 スタッフに支えられて、浴槽の側面の扉から入る。2 扉を閉めて、浴槽の中でお湯につかる。細かい泡が出ている。3 スタッフがハンドシャワーで髪を洗う(イラスト)
使い方の流れ

▼ 手順・中身

手順中身
またがず入れる浴槽そのものに扉がついているので、浴槽をまたがずに入れます。転倒のリスクを抑える設計です(メーカー公式サイト)。
身体はマイクロバブル洗浄お湯につかっているだけで、洗剤を使わず細かい泡(マイクロバブル)が全身を洗います。(サイエンスの製品ページ)
顔・髪はミラブルで洗うお湯から出ている顔と髪は、ミラブル(シャワー)の泡で洗います(メーカー公式サイト)。

※2026年9月30日:この節の説明と絵を直しました。前の版は、浴槽の中で横たわる形になっていました。メーカーの公式サイトと発表にあるのは「浴槽の扉から、またがずに入る」「お湯につかっているだけで洗える」です。

40cmのまたぎをなくす所から始まった

開発を主導したヤマダホールディングス顧問の笹澤淳氏の出発点は、叔父の介護です。普通の浴槽には、またいで入るための40cmの段差があります。この「またぐ」動作をなくすことから設計が始まりました(エンジニアtype 2026年2月27日)。

2025年6月18日に、サイエンスと介護大手のSOYOKAZEが共同開発を発表しました。町田成瀬ケアセンターそよ風でテスト運用をして、現場の声を設計に入れています(SOYOKAZEの発表)。

お湯は160Lを先にためておき、一気に入れます。「2〜3分もあれば胸が隠れる程度までお湯が溜まります」(笹澤氏・同じ取材記事)。

ミラブル アシストバス|またぐ段差40cm・先にためるお湯160L・2〜3分で胸が隠れる程度まで

大阪の介護付きホームで2026年6月から実証

展示や発表だけでなく、介護の現場で実際に使う検証が始まっています。

全国で介護サービスを展開する株式会社SOYOKAZE(本社:東京都港区、代表取締役社長:中川清彦)と、株式会社サイエンス(本社:大阪府大阪市)の共同の取り組みです。

2026年7月時点の情報をもとにしています。

実施主体株式会社SOYOKAZE / 株式会社サイエンス
場所介護付きホーム「交欒(まぜらん)森ノ宮」(大阪府大阪市)
開始2026年6月より
使用機器個浴型入浴機器「ミラブル アシストバス」

個浴の前に、大浴場で1年検証した

今回の検証は2段階目です。

先に2025年6月から、大浴場の環境で検証が行われていました。

「町田成瀬ケアセンターそよ風」(東京都町田市)から「伊勢崎南ケアセンターそよ風」(群馬県伊勢崎市)へ拡大しています。

大浴場は「複数人の入浴環境での作業負担」、今回の個浴は「一人ひとりに対応する個別ケア環境」です。

見ているものが違います。

個浴では負担・洗身・安全・運用を検証

  • 入浴介助にかかる職員の作業負担の変化(時間・導線・労力)
  • 洗身工程(こすり洗い不要の効果)の実証
  • 利用者の安全性および快適性の向上効果
  • 湯張り時間・水量・ランニングコストなどの運用面

効果と課題は出た、減った数字はまだ無い

先行した大浴場の検証では、効果と課題の両方が出ています。

効果のほうだけを取り出すと実態を見誤るので、両方そのまま載せます。

見えてきた効果「業務効率化:洗浄工程の簡略化により、入浴業務にかかる時間短縮や、業務全体の見直しにつながる可能性が示唆された。」
「QOLの向上:身体を強くこすらない入浴法や、温浴効果など、入浴体験の質的向上が見られた。」
今後の課題「浴槽内の衛生管理や運用方法の確立、現場職員やお客さまへの効果理解の浸透。」

※「時間が短縮された」ではなく「短縮につながる可能性が示唆された」。プレスリリースの言葉をそのまま使っています。ここを言い換えると意味が変わってしまうためです。(出典:株式会社SOYOKAZE プレスリリース 2026年7月30日「入浴介助の負担軽減に向け、個浴環境での実証実験を開始」PDF)

2026年9月30日の時点で、まだ無いもの

  • 負担がどれだけ減ったかの数字。「◯分短縮」「◯%軽減」は、この実証の発表にも、下で紹介する積水ホームテクノの「wellsマイクロバブル浴槽」の発表にも、1つもありません
  • 実証の対象人数・終わる時期・個浴環境の具体的な設定・機器の型番
  • wellsマイクロバブル浴槽を入れたときの、浴室まで含めた総額

稟議に要るのは、この数字です。数字が出しだい、この記事に追記します。

出典:入浴介助の負担軽減に向け、個浴環境での実証実験を開始(株式会社SOYOKAZE リリース/2026年7月30日配信)(2026年7月時点)

積水のwellsは新しく開く施設向け

積水ホームテクノ株式会社(積水化学工業の100%子会社)が、介護施設向けの「wellsマイクロバブル浴槽」を2026年7月に売り出しました。介護用浴室「wells」の、新しく開く施設向けの浴室オプションです(積水ホームテクノのプレスリリース・2026年6月1日)。

マイクロバブルの装置(型式MBW-100)の希望小売価格は638,000円(税込)です。これは装置の値段で、組み合わせる浴室(wellsバス)の値段は別です。付けられるのは「wellsバスKGS8」の横置き浴槽タイプと連結タイプだけで、いま使っているwellsバスには付けられません(積水ホームテクノの製品ページ・2026年10月6日確認)。

アシストバスと同じく、泡で洗って「こすり洗い」を減らす方向です。違いは入れ方で、wellsは浴室ごと新しく入れる施設向けのオプション、アシストバスは個浴に置く入浴機器です。工事の規模も費用の出どころも変わるので、どちらが優れているかではなく、施設の条件で選ぶものです。

ミラブル アシストバス|積水ホームテクノのwellsとマイクロバブル浴槽(動画)

▶ 8分10秒から、積水ホームテクノがマイクロバブルを付けた浴槽を出したことを話す場面が見られます。
動画:PR TIMES TV(積水ホームテクノの発表映像=メーカー側の公式の映像)(YouTube)。押すと再生します

ミラブル アシストバス|積水のwellsマイクロバブル浴槽との違い(入れ方と値段)

出典:「wellsマイクロバブル浴槽」新発売(積水化学工業・積水ホームテクノ プレスリリース/2026年6月1日)

TAISに載るサイエンスの製品は4つ

福祉用具の公的な情報の一覧「TAIS」には、サイエンスの製品が4つ載っています(サイエンスの発表・2026年5月18日)。介護施設のためのアシストバスのほかに、家の浴室で使う物が3つ。

▼ TAISに載っているサイエンスの製品

製品TAISコード分類形
ミラブル アシストバス02337-000004浴槽扉から入る個浴の浴槽
ミラバス02337-000002浴槽いまの浴槽に後付け(工事)
どこでもミラバスポータブル02337-000001シャワ器具工事なし・持ち運べる
ミラブル潤02337-000003シャワ器具シャワーヘッド

出典:サイエンスのプレスリリース(2026年5月18日)(確認日 2026年10月17日)。分類はTAISの分類コードの名前

発表では、潤もどこでもミラバスポータブルも、入浴介助の「こすり洗い」を減らす物として並んでいます。どこでもミラバスポータブルは、在宅介護の場面にも触れています。ミラバスの値段と工事はミラバスの値段にまとめました。

TAISに載っていることと、補助金の対象になることは別の話。対象かどうかは、都道府県の対象機器の一覧で決まります。確かめ方は介護施設の補助金の「電話で聞くこと」へ。

上で紹介した積水ホームテクノの「wellsマイクロバブル浴槽」にも、サイエンスのファインバブルの技術が使われています(サイエンスの発表・2026年6月1日)。浴槽を作って売るのは積水ホームテクノで、泡の技術がサイエンスの物という組み合わせです。

万博で展示した人間洗濯機と、介護施設に入ったアシストバスは、仕様が違います(サイエンスのコラム・2026年10月9日)。アシストバスは、万博で示した入浴の技術を、介護の現場に届けるために作り直した入浴装置です(サイエンス公式「ミラブル アシストバス」)。

桁は下がったが、全施設向けではない

6,000万円のミライ人間洗濯機は、施設が入れるには高すぎました。

アシストバスは介護現場の課題(入浴介助の負担・転倒リスク・人手不足)に合わせて作り直したものです。

価格の桁が変わりました。

ただし「だからどの施設にも入る」という話ではありません。

結局、うちの施設に合うのかどうかが知りたい。

人間洗濯機
編集部

決め手は3つ。誰が入るか、何を求めているか、いつ入れ替えるか、です。

デイサービスで機械浴を回してきた方への取材から、下にまとめました。

店頭は法人向けで203万5,000円(税込)

2026年8月から、ヤマダデンキ・ベスト電器・マツヤデンキの店舗(一部を除く)で、法人向けの先行販売が始まっています(ヤマダホールディングスの発表・2026年8月5日)。

店頭の価格203万5,000円(税込)(税抜185万円)
価格に含まれるもの本体・リザーブタンク・設置1年後のメンテナンス費用
保守「保守メンテナンスパック」(有料)。中身と費用は、店舗に問い合わせましょう
問い合わせ先ヤマダデンキ・ベスト電器・マツヤデンキの店舗(店舗一覧)

メーカーの希望小売価格159万5,000円(税込)は、本体だけの値段です。店頭の価格には、リザーブタンクと設置1年後のメンテナンス費用が入っています。工事費は、店舗に問い合わせましょう。

導入を決める前の最重要チェック:機械浴とは使う方が違います

機械浴(特殊浴槽)は、座位の保持が難しい方や寝たきりの方のための装置です。

シャワーチェアやストレッチャーに乗せたまま入れます。

いっぽうミラブル アシストバスは、浴槽に入って湯に浸かるタイプです。

浴槽自体に扉がついているので、浴槽をまたぐ必要がありません(確認日 2026年8月16日)。

つまり、いま機械浴を使っている方が、そのまま乗り換えられる機械ではありません。

なお、対象となる方のADL(自立度)や使用時の姿勢の目安は、まだありません(同日確認)。導入を検討される場合は、自施設の利用者がこの浴槽に入って座位を保てるかを、購入前にメーカーへ直接確認しましょう。

決め手は3つ、機械浴の代わりにはならない

デイサービスで機械浴を回してきた方に取材しました。

そこで分かったのは、機械は「良いか悪いか」では選ばれていないということです。決まっていたのは、この3つでした。

  • 誰が入るのか(自分で座った姿勢を保てるかどうか)
  • その人が何を求めているか(湯に浸かりたいのか、洗えればいいのか)
  • いつ入れ替えるのか(既存の更新か、新設か)
場面取材で聞いたこと
既存デイの機械浴機械浴を使うのは、座った姿勢を保つのが難しい方
既存デイの一般浴・個浴の入れ替え「浴槽が大きく破損するといった事情がない限り想定しにくい」
新規事業所取材協力者が、入る場面として挙げたのはここだけ
特別養護老人ホームこの取材では聞いていない

出典:介護施設の入浴担当者への取材(編集部の取材)。

稟議に出す前に、確かめておくこと

  • 工事の範囲と費用:本体159万5,000円(税込)に、工事費は入っていません。給排水・電源の工事が要るかを含めて、現地を見てもらって見積もりを取ります
  • 値段に何が入っているか:メーカー希望小売価格は本体だけです。店頭の203万5,000円(税込)には、リザーブタンクと設置1年後のメンテナンス費用が入っています
  • ランニングコスト:お湯を一人ごとに入れ替えるかと、水道光熱費の試算を出してもらいます
  • 浴槽の中の衛生管理:清掃の手順と、1回にかかる時間を確かめます
  • 職員への説明:導入のときに研修があるかを確かめます
  • 補助金:1台で最大100万円。本体159万5,000円が全額対象なら、自己負担は59万5,000円からです。補助の上限と対象の経費は、都道府県で違います。介護施設の補助金の記事で聞くことを確かめてから、都道府県に問い合わせます(TAISコード02337-000004ほか・確認日 2026年10月2日)
  • 機械浴を買い替えるなら:費用は機械浴槽(特浴)の買い替え費用にまとめています

衛生管理と職員への説明は、先に大浴場で検証したSOYOKAZEが「今後の課題」に挙げた項目です(「浴槽内の衛生管理」「効果理解の浸透」・SOYOKAZEのプレスリリース 2026年7月30日)。

いまの機械浴で危ない場面、毎日の掃除にかかる20分、壊れた日はシャワー浴に切り替える回し方は、デイサービスの入浴担当者への取材にまとめています。

次の一歩:補助金の対象になるかは、お住まいの都道府県の介護保険担当課に電話で聞くのがいちばん早い方法です。

聞くことは介護施設の補助金まとめ【2026年度版】にそのまま読み上げられる形で5つ用意してあります。

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出典:株式会社サイエンス プレスリリース(2026年4月27日・「ミラブル アシストバス」初展示の発表)

※施工業者様へ:納入仕様書・寸法図・CAD等の技術資料は、メーカーの株式会社サイエンス(フリーダイヤル 0120-3434-26/お問い合わせフォーム)へ直接ご請求ください。
更新履歴:2026年8月16日、機械浴とアシストバスの使う人の違いを書き分けました(以前は「機械浴槽の更新の予算感」として並べていました)。