万博で見た「ミライ人間洗濯機」は、どこの会社が作ったのか。ニュースを追うと、パナソニック・ヤマダデンキ・サイエンスと、いくつもの会社の名前が出てきます。
名前が混ざるのは、無理もない。1970年の大阪万博の人間洗濯機は三洋電機(今はパナソニックの子会社)、2025年の万博の機械はサイエンス、店で売っているのはヤマダデンキ。3つの会社が、それぞれ別の役目で出てくるからです。
作った会社・売っている所・誰が買っているかを、会社の公式ページと発表のとおりに並べました(2026年10月17日確認)。
万博の人間洗濯機って、どこの会社?個人でも買えるの?
人間洗濯機
編集部
作ったのは、大阪市のサイエンス。シャワーヘッド「ミラブル」の会社です。
売っているのはヤマダデンキで、6,000万円(税込)。家で使う型は、いま売っていません。
先に結論。万博の人間洗濯機を作ったのは、大阪市のサイエンスです。
- 会社:株式会社サイエンス(大阪市淀川区・2007年設立)。ミラブルの会社
- 会長:青山恭明さん。1970年の万博で、10歳のときに人間洗濯機を見た
- 販売:2025年10月10日に販売を決め、2026年2月26日からヤマダデンキで6,000万円(税込)
- 買っている所:ホテル・マンションのサロン・サウナ・温泉。家で使う型は無い
- 1970年の機械:三洋電機の物。2025年の機械とは別
結論:作ったのはサイエンス、売るのはヤマダ
2025年の大阪・関西万博に「ミライ人間洗濯機」を出したのは、大阪市淀川区の株式会社サイエンス。シャワーヘッド「ミラブル」や入浴装置「ミラバス」を作っています。
店で売っているのはヤマダデンキ。2026年2月26日から、全国のヤマダデンキの店で6,000万円(税込)の注文を受けています。ヤマダホールディングスの発表も、サイエンスを「製造元」と書いています。
「パナソニックの人間洗濯機」は、1970年の万博に三洋電機が出した、別の機械。2025年の機械とは、作った会社も仕組みも違います。

サイエンスは2007年設立、大阪・西中島の会社
サイエンスは、細かい泡(ファインバブル)を出す製品を作って売る会社。会社の中身は、公式の会社概要と沿革に次のとおり載っています。
▼ 株式会社サイエンスの会社概要
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 本社 | 大阪市淀川区西中島5-5-15 新大阪セントラルタワー北館5F |
| 設立 | 2007年8月(2008年4月に今の社名へ) |
| 社長 | 代表取締役社長 水上康洋 |
| 会長 | 青山恭明(サイエンスホールディングス代表取締役会長) |
| 事業 | ファインバブル製品の製造・販売とメンテナンス |
| 工場 | 香川県小豆郡小豆島町 |
出典:サイエンス公式「会社概要」・「沿革」(確認日 2026年10月17日)
シャワーヘッドのミラブルは2018年7月、ミラバスは2019年11月の発売。ミラブルの出荷は、2025年10月に合わせて170万台を超えています(沿革)。
会長は1970年の万博で人間洗濯機を見た
サイエンスを2007年に創業したのが、今の会長の青山恭明さん。1970年の大阪万博で、三洋電機の人間洗濯機を10歳で見たことが原点だと、サイエンスの読み物「Mirable Times」は書いています。
2025年の万博では、入浴を一般の人から募りました。1970年の機械に入ったのはモデルで、当時小学4年生だった自分も「入りたい」と思っていた、という会長の話が理由です(サイエンスの発表・2025年4月4日)。
2025年の機械づくりには、1970年の機械を作った2人も加わりました。技術開発者の山谷英二さんと、デザイナーの上田マナツさんが、技術の助言役です(サイエンスの発表・2024年10月15日)。
出典:Mirable Times「55年越しの再挑戦」、サイエンスの発表(2024年10月15日・2025年4月4日)(確認日 2026年10月17日)
1970年の機械は、三洋電機がサンヨー館に出した「ウルトラソニック・バス」。三洋電機は、2011年4月にパナソニックの完全子会社になりました。「パナソニックの人間洗濯機」と呼ばれるのは、この機械です。当時の値段と実物の行方は、パナソニック(三洋電機)の人間洗濯機にまとめました。
6,000万円…。それでも、店で買えるものなの?
人間洗濯機
編集部
全国のヤマダデンキの店で、注文を受けています。
ただ、買う前に、置けるかどうかを店で相談して確かめます。
販売は2026年2月26日からヤマダデンキ
もとは展示のための一点もので、サイエンスは約1億円をかけて作りました。万博の開幕の翌日には、アメリカから「買いたい」という申し出がありました。問い合わせが続いたため、量産の体制を整えて売ると決めています(サイエンスの発表・2025年10月10日)。
店での販売は、ヤマダホールディングスがサイエンスと組んで始めました。量販店の店頭に人間洗濯機が並ぶのは、これが初めてです。
▼ ヤマダデンキでの売り方
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 販売開始 | 2026年2月26日 |
| 値段 | 6,000万円(税込) |
| 値段に入る物 | 標準工事費と、1年後のメンテナンス費用 |
| 注文の受付 | 全国のヤマダデンキの店 |
| 展示 | LABI池袋本店(東京都豊島区東池袋1-5-7) |
出典:ヤマダホールディングスの発表(2026年2月26日)、サイエンスの発表(2025年10月10日)(確認日 2026年10月17日)
置けるかどうかは、店で相談して決める決まり(ヤマダの発表)。店頭で聞いた買うまでの3つの手順と支払い方はヤマダデンキの人間洗濯機、置くのに要る広さと電源は設置条件の記事にまとめました。
サイエンスの人間洗濯機のページにも「数量限定で販売中」とあります。そこから進む問い合わせ先は、法人向けのお問い合わせフォーム。検討の項目には、ホテル・旅館、介護・医療施設、住宅・物件への導入が並びます(サイエンス公式「ミライ人間洗濯機」)。
買っているのはホテルや温泉などの施設
人間洗濯機は、ホテルやマンションのサロン、量販店へと入っていきました(サイエンスの発表・2026年9月29日)。2026年4月の時点で、国内に約10台、アメリカのアトランタに5台の導入が進んでいます(同・2026年4月22日)。導入先の施設の名前は、サイエンスの発表にも、読売新聞の英語版にも、アトランタの地元の報道にも出ていません(2026年10月17日に確認)。読売新聞の英語版の書き方は「ジョージア州の自然豊かな場所に大型リゾートを計画しているアメリカの会社」で、そのリゾートは2026年夏に一部を開く予定でした。
▼ 公表された導入先
| 場所 | 種類 | 始まり |
|---|---|---|
| 道頓堀クリスタルホテルⅢ(大阪) | ホテル | 2025年12月10日 |
| ヤマダデンキLABI池袋本店 | 量販店(展示) | 2026年2月26日 |
| エスコンフィールドHOKKAIDOホテル北広島駅前 | サウナ | 2026年3月31日(予定として発表) |
| 箕面温泉スパーガーデン(大阪) | 温泉 | 2026年10月1日 |
| レーベンサロン池袋(東京) | マンションのサロン | 2026年1月に予約受付の予定 |
出典:リゾートライフの発表(2025年12月9日)、ヤマダホールディングスの発表(2026年2月26日)、SQUEEZEの発表(2026年3月18日)、サイエンスの発表(2026年9月29日)、タカラレーベンの発表(2025年10月31日)(確認日 2026年10月17日)
入りに行くなら、人間洗濯機の体験場所で施設ごとの料金と予約のしかたを比べられます。

家で使う人間洗濯機は、いま売っていない
サイエンスの製品一覧に、家庭用の人間洗濯機はありません(2026年10月17日確認)。売っている完全版は6,000万円(税込)で、置けるかどうかを店で相談してから買う機械です。
家庭への広がりは、これからの計画として発表されています。組む相手は、ヤマダデンキの系列の浴槽メーカー。高齢の人が住む家のリフォーム向けの組み合わせと、脱衣所に置く型の設計を進めている段階です(サイエンスの発表・2026年4月22日)。発売の時期と値段は、まだ発表されていません。
介護施設向けには、浴槽をまたがずに入れる「ミラブル アシストバス」があります。2025年12月16日に発表され、希望小売価格は159万5,000円(税込)。中身はミラブル アシストバスの記事にあります。
家で同じ会社の泡を使うなら、シャワーヘッドのミラブルか、浴槽に付けるミラバス。どちらも人間洗濯機ではなく、入る体験の代わりにはなりません。
まとめ:作るのはサイエンス、買うのは施設
- 万博の人間洗濯機を作ったのは、大阪市淀川区の株式会社サイエンス(2007年設立・ミラブルの会社)
- 会長の青山恭明さんは、1970年の万博で10歳のときに三洋電機の人間洗濯機を見た
- 2025年10月10日に販売を決め、2026年2月26日からヤマダデンキで6,000万円(税込)
- 買っているのはホテル・サウナ・温泉などの施設。家で使う型は、いま売っていない
- 1970年の「パナソニックの人間洗濯機」は、三洋電機が作った別の機械
▼ 次に読む