1970年の大阪万博に、人間洗濯機があった。2025年の万博には別の会社の「ミライ人間洗濯機」が出て、今はお金を払って入れる場所まであります。

55年のあいだに何があって、いつから使えるようになったのか。ニュースは出来事を1つずつ伝えるので、つながりが見えにくいのも無理はありません。

万博記念公園・パナソニック・サイエンスの公式ページと発表から、日付を順に並べました(2026年10月17日確認)。

1970年の人間洗濯機と今のは、同じ物?いつから入れるようになったの?

人間洗濯機
編集部

作った会社も仕組みも違う、別の機械です。

お金を払って入れる場所ができたのは、2025年12月10日。最初は大阪・道頓堀のホテルでした。

この記事の結論

先に結論。人間洗濯機の実用化は2025年12月。1970年の万博から55年後です。

  • 1970年:三洋電機が大阪万博のサンヨー館に出した。家庭には広まらなかった
  • 2025年4月〜10月:サイエンスが大阪・関西万博に「ミライ人間洗濯機」を出し、1,227名が入った
  • 2025年10月10日:サイエンスが販売を決めた
  • 2025年12月:10日に道頓堀のホテルで入れるようになり、16日に介護施設用を発表
  • 2026年2月26日:ヤマダデンキで販売を始めた(6,000万円・税込)

結論:実用化は2025年12月、1970年から55年後

人間洗濯機に、お金を払って入れるようになったのは2025年12月10日。大阪・道頓堀のホテル「道頓堀クリスタルホテルⅢ」が、国内で最初に体験を始めました(運営会社リゾートライフの発表)。

同じ12月の16日には、サイエンスが介護施設用の型を発表しています。サイエンスは発表の中で、1970年の万博から55年の流れを受けて「実用化」したと書きました。

店での販売は、2026年2月26日にヤマダデンキで始まりました。値段は6,000万円(税込)で、買っているのはホテルや温泉などの施設です。

人間洗濯機 実用化 いつ|人間洗濯機の55年の流れ。1970年に三洋電機が万博に出す(家庭には広まらなかった)、2025年4月にサイエンスが万博に出す(一般の人が入った)、2025年12月に道頓堀で入れるように(お金を払って入れる最初の場所)、2026年2月にヤマダデンキで販売(6,000万円・税込)(図)

1970年:三洋電機がサンヨー館に出した

1970年の日本万国博覧会は、3月15日から9月13日までの183日間。入場者は6,421万8,770人でした(万博記念公園「日本万国博覧会の概要」)。

人間洗濯機を出したのは三洋電機のパビリオン「サンヨー館」。未来の家庭生活を見せる「ファミリー・コーナー」の4つの展示品の1つで、「人間洗たく機(ウルトラソニック・バス)」の名前で並びました。流線型のカプセルに座っているだけで、マッサージボールと超音波で入浴が済む全自動のお風呂でした(万博記念公園「サンヨー館」)。

機械の中身と、万博のあとに売り出された値段は、パナソニック(三洋電機)の人間洗濯機にまとめています。

その後:家庭に広まらず、実物は科博へ

1970年の機械は、技術の課題と費用の問題で、世の中に広まりませんでした(サイエンスの読み物「Mirable Times」)。

▼ 1970年の機械のその後

いつできごと
2009年12月三洋電機がパナソニックの子会社になる
2011年4月1日三洋電機がパナソニックの完全子会社になる
2025年12月実物を展示していたパナソニックの門真の施設が閉じる
2026年1月パナソニックHDが実物を国立科学博物館に寄贈

出典:パナソニックホールディングス「パナソニックの歴史」2009年・2011年、読売新聞英語版 2026年6月15日(確認日 2026年10月17日)

国立科学博物館は、常設で展示する予定です(読売新聞英語版)。展示を始めた日は、科博の常設展のお知らせにまだ載っていません(2026年10月17日確認)。行く前に、科博に確かめてください。

55年をつないだのは、10歳で見た会長

1970年の万博で、ウルトラソニック・バスを見た10歳の少年がいました。2007年にサイエンスを創業する、今の会長の青山恭明さんです(Mirable Times)。

1970年の機械を作った三洋電機の元技術者・山谷英二さんは、退職したあとも人間洗濯機を考え続けていました。サイエンスのシャワーヘッド「ミラブル」のCMを見て、自分からサイエンスに電話をかけています(同)。

2024年10月15日、サイエンスは山谷さんと、1970年の機械のデザイナー・上田マナツさんが技術の助言役に加わったと発表しました。

2025年の万博では、誰が入れたの?

人間洗濯機
編集部

一般の人から募って、1,227名が入りました。1970年とは、そこが違います。

2025年:大阪・関西万博で一般の人が入った

▼ 2025年の万博までの流れ

いつできごと
2022年3月サイエンスが大阪ヘルスケアパビリオンへの出展に決まる
2023年7月11日「ミライ人間洗濯機」の出展の中身を一部公開
2024年10月15日入浴したい人の事前受付を始める
2025年3月23日パビリオンの開館式で初公開。大阪府知事が1人目に入る
2025年4月13日万博が始まる(10月13日までの184日間)

出典:サイエンス公式「沿革」、サイエンスの発表(2023年7月11日・2024年10月15日・2025年4月4日)、2025年日本国際博覧会 公式(確認日 2026年10月17日)

1970年の機械に入っていたのはモデルだった、と会長は話しています。当時小学4年生で「入りたい」と思っていたことを受けて、2025年は入浴する人を一般から募りました(サイエンスの発表・2025年4月4日)。

会期中に入ったのは1,227名。アンケートに答えた847名の満足度は98.3%でした(サイエンスの発表・2026年4月22日)。15分のあいだに機械が何をするかは、人間洗濯機の15分の11工程で読めます。

人間洗濯機 実用化 いつ|2つの大阪万博と人間洗濯機の比べ。1970年の万博は3月15日〜9月13日・三洋電機・入ったのはモデル(会長の話)、2025年の万博は4月13日〜10月13日・サイエンス・一般の1,227名が入った(図)

実用化:販売の発表から2か月で入れる場所

もとは展示のための一点もので、売るつもりはありませんでした。開幕の翌日には、アメリカから「買いたい」という申し出がありました。問い合わせが続いたため、サイエンスは万博の会期中に販売を決めています(サイエンスの発表・2025年10月10日)。

▼ 実用化の年表

いつできごと
2025年10月10日サイエンスが販売を決めたと発表
2025年12月10日道頓堀クリスタルホテルⅢで体験が始まる(国内で最初)
2025年12月16日介護施設用(今のミラブル アシストバス)を発表
2026年2月26日ヤマダデンキが販売を始める(6,000万円・税込)
2026年3月31日北海道・北広島のホテルのサウナで利用開始(予定として発表)
2026年10月1日箕面温泉スパーガーデンで利用開始

出典:サイエンスの発表(2025年10月10日・12月16日・2026年9月29日)、リゾートライフの発表(2025年12月9日)、ヤマダホールディングスの発表(2026年2月26日)、SQUEEZEの発表(2026年3月18日)(確認日 2026年10月17日)

2026年4月の時点で、国内に約10台、アメリカのアトランタに5台の導入が進んでいます(サイエンスの発表・2026年4月22日)。導入先の施設の名前は、サイエンスの発表にも、読売新聞の英語版にも、アトランタの地元の報道にも出ていません(2026年10月17日に確認)。読売新聞の英語版の書き方は「ジョージア州の自然豊かな場所に大型リゾートを計画しているアメリカの会社」で、そのリゾートは2026年夏に一部を開く予定でした。いま入れる場所と料金は人間洗濯機の体験場所、ヤマダデンキでの買い方はヤマダデンキの人間洗濯機にまとめました。

これから:家庭用は設計を進めている段階

介護施設用の「ミラブル アシストバス」は、浴槽にドアが付いていて、またがずに入れる型です(希望小売価格159万5,000円・税込)。中身はミラブル アシストバスの記事にあります。

家庭向けは、ヤマダデンキの系列の浴槽メーカーと組んで設計を進めている段階。高齢の人が住む家のリフォーム向けの組み合わせと、脱衣所に置く型です(サイエンスの発表・2026年4月22日)。発売の時期と値段は、まだ発表されていません。

まとめ:1970年の夢は2025年12月に実用化

  • 1970年の人間洗濯機は、三洋電機がサンヨー館に出した「ウルトラソニック・バス」
  • 1970年の機械は家庭に広まらず、実物は2026年1月に国立科学博物館へ寄贈された
  • 10歳で見た青山恭明さんが創業したサイエンスが、2025年の万博に「ミライ人間洗濯機」を出した
  • 実用化は2025年12月。10日に道頓堀のホテルで入れるようになり、16日に介護施設用を発表
  • 2026年2月26日からヤマダデンキで販売(6,000万円・税込)。家庭用は設計の段階

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